30周年記念誌(30th ANNIVERSARY)
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協会設立30周年おめでとうございます。2013年の設立20周年記念誌に「あと施工アンカーへの思い」を述べてから10年が経ちました。この10年間での協会活動としては、各種あと施工アンカーの施工指針、点検・診断要領等の指針作成、および、注入式施工士、点検士等の資格制度の確立、技術者育成を目的とした助成金制度の立ち上げに関わっています。さらに、診断士、登録基幹技能者の資格制度の立ち上げの準備中です。1種、2種、技術管理士の有資格者も70,000名に到達しようとしています。JCAAの活動は、協会会員の方々、第三者機構的委員会の方々の協力により、非常に活発になっているように感じます。私が東京理科大学名誉教授の松崎育弘先生のお手伝いをして、JCAAと関わりを持つようになって25年くらいが経ちました。この間、日本建築学会の各種合成構造設計指針、日本内燃力発電設備協会の自家用発電設備耐震設計のガイドライン等の設計指針等にも関わりました。特に、各種合成構造設計指針においては接着系アンカーおよび金属系アンカーを本編に取り組む命を受け、着手しました。実際に始めてみると、いつも、あと施工アンカーの創世記の問題に逆戻りする感覚を振り払うことができず、ヨーロッパの技術には敵わないなという気持ちになりました。創立30周年を契機に、いかにヨーロッパに挑戦していくか、日々、思いにふけっています。JCAAの立て直しも必要でしょう。一方、技術委員会、技術者審査委員会等に参加することにより、あと施工アンカーに熱い気持ちを抱いている第三者委員の先生方、献身的なJCAA会員の方、事務局の方と接することができたことは人生の財産です。さらに、海外での発表および委員会等で出会った先生方には非常に刺激を受けました。ドイツのシュツットガルトでの論文発表、アテネ、ウイーン、バークレー、京都、アビスコ、ヘルシンキ、パリ、ミラノ、台北でのfibメンバーとの交流、シュツットガルトでのワイン祭りとビール祭り、アメリカ同時多発テロ事件、故・森田司郎(京大)先生との南ドイツ列車での2人旅等、いずれもJCAAに関わることにより経験できたことであり、本当に「愉快な仲間たち」です。このように、同じ問題に取り組んでいる国内外の仲間たちと語り合い、技術を競い合う機会を継続していけるよう頑張りましょう。安心・安全を30年~30周年記念誌~ |35千葉工業大学教授  中 野 克 彦あと施工アンカーと愉快な仲間たち

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