30周年記念誌(30th ANNIVERSARY)
44/130

平成5年に設立された「日本建築あと施工アンカー協会:JCAA」が設立30周年を無事迎えられたこと、おめでとうございます。30年前は、建設省の施工基準担当者として、お付き合いをしていた多くの専門工事業団体の中で、ひと際愛着のあった旧略称NCAA(当時の人気清涼飲料水の名称?)から、社団法人化に伴い現在のJCAAに変更されると聞いて少し残念な気持ちになったことや、設立当時の河内会長、岩田専務理事や岩木技術部会長ほかの名刺データを見直し、改めて時の流れの速さに驚いています。中でも「あと施工アンカー審議委員会」に参加させていただいたとき、松崎委員長と議論したことは「若気の至り」として忘れることができません。月日は流れて、現在「あと施工アンカー施工士」の講習を担当させていただく「ご縁」に驚いております。あと施工アンカーとの出会いは、まだ社会人の駆出し時代、昭和57年頃に遡ります。当時、名古屋で設計担当者として耐震診断を担当した施設(東海地震の対策地域に旧耐震基準で建設された建物)の耐震性能が低いと判定後、耐震改修設計は担当できなかったものの、異動先の静岡でその施設の耐震改修工事の監督員を命ぜられました。今も昔も耐震補強工事では、あと施工アンカーは重要な工種ですが、当時は接着系アンカーに対し施工上の信頼性を危惧する声があったため、現場で試験体を製作し、施工試験と経年試験(5年後と10年後)を実施することになりました。試験を担当いただいたのは日本デコラックスの丹羽さん、現場試験後の試験体は本社工場で保管していただき、5年後の試験時に丹羽さんから経年20年まで延長したいとご提案を受けて、20年後の試験にも立ち会うことができました。試験の結果が良好であったことは、言うまでもありません。丹羽さんも、数年前に会社の定年を迎えられて、ご退職されているとのことでした。かくいう私は、定年後も現職場でフルタイムの勤務をしつつ、協会より講習委員を仰せつかっています。委員メンバーの中では、60代後半でも何故か?「若手」なのは驚きです。(笑)設立30周年を迎えられたJCAAの今後のご発展を祈念しつつ、「ベテラン」と呼ばれるまで、微力ではありますが協会の発展に協力させてください。42| 安心・安全を30年~30周年記念誌~一般財団法人建設業振興基金福 岡 和 弥祝!JCAA設立30周年

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る