30周年記念誌(30th ANNIVERSARY)
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堅いコンクリート穴開けて アンカー打ち込み取り付ける 見つめてみよう あと施工設立30周年、おめでとうございます。国民の生命と財産を守り、地域社会の発展の担い手として、日々ご活躍の皆様方に心より敬意を表します。30周年の喜びを共有させて頂き喜ばしく思います。冒頭の拙作(曲)を口ずさみながら皆様にエールを送り、貴協会発展への想いの一端を綴らせてもらいます。1993年、協会設立に尽力された第三者委員の松崎育弘先生(建築RC構造学)、川瀬清孝先生故)(建築コンクリート工学)から、設立間もない頃、第三者委員にとお声掛けがありました。当時の私は建築教育・研究の駆け出しの頃で、あと施工アンカーについては浅学でした。しかしながら、私にとってお二方は4歳年上の大学時代からの兄貴分。断る術もなく、第三者委員の任に就き今日に至ったのです。両先生はじめ歴代会長、藤原義隆副会長、村岡利孝故)・佐藤 豊・小宮伸行理事らの御恩は忘れません。私ごとですが「建築&コンクリートの教育・研究50年」を経て、今年78歳を迎えます。毎年開催される一般技術講習会。「母材コンクリート」の科目担当の一人として、全国各所で教授させて頂いております。1996年、初年度の講習会を皮切りに、真剣な眼差しで受講して下さった方々は、延べ一万人超え。その中の多くの立派な施工士・技術管理士・主任技士らは、国民の生命と財産を守っておられます。私にとっても誇りです。かけがえのない宝物です。ありがとうございます。講習会では、セメントの水和反応により固まるコンクリートは、材料・調合・施工・環境等の影響を大きく受け、母材の品質・性能は一つと同じものはなく、健全な母材に確実な「あと施工アンカー」が必須であり、人間の生命・財産を守る上で極めて重要であることを説明させて頂きました。世の中は変貌しています。この先、建築生産は様変わりするかも知れません。例えば、建築様式や工法、新種の母材など。世の中がどのように移り変わろうとも「人間の生命と財産を守り、安全な社会を構築し、人々の暮らしを豊かにする」。その使命は変わらないと思います。そうした中、「人生100年時代」を見据えた「社会人基礎力」が経済産業省から提唱されています。それは「職場や地域社会で活躍し続ける上で必要な基礎的な力」のことで、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」と言った3つの能力です。そして、その能力を発揮するに当たって「どう活躍するか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の3つの視点から、自ら切り拓いていくと言うものです。発展し続ける貴協会および皆様方の真摯な姿勢に接し、その恵まれた環境に感謝し、「社会人基礎力」を念頭に置きながら、私は日々研鑽を重ねています。建築における技と心(あと施工アンカー) 。その本質は「人間の生命と財産を守り、安全な社会を構築し、人々の暮らしを豊かにする」。このことを胸に抱いて、皆様方と共に歩み続けたいと思います。暮らしの中のあり姿 明日に向かって微笑んで 安全確保 努めてるコンクリート アンカー あと施工 未来を見据えて生きてゆく*36| 安心・安全を30年~30周年記念誌~新潟工科大学名誉教授  地 濃 茂 雄未来を見据えて生きてゆく

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