30周年記念誌(30th ANNIVERSARY)
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安永 当時、どうしたらいいのか分からないときには、先生が書かれた「あと施工アンカー −設計と施工−」を読んで勉強しました。たとえば、アンカーとジベル筋のラップ長がとれないときにどうすればいいかとか、具体的なことが書かれていて。設計の方々と話をするときにも、これを持っていって話をすれば納得していただける、そんなこともありました。岡田 当時は、現場で苦労して試行錯誤されたことがたくさんあったでしょう。安永 やりながらまた、いろいろなタイプのアンカーや、施工方法が生まれてきましたね。岡田 その点はやはり、協会が一つになってやってきた、ということが大きいと思います。メーカーがバラバラにやっていたのではこんなふうにはならなかったと思いますよ。安永 そうかもしれません。これからはさらに、耐震工事におけるニーズも多様化してくる中で、さまざまなタイプのアンカーを提供したり、現場のニーズに対応した施工方法を考えたり、ということが重要になってくると考えています。もちろん、アンカー以外にもいろいろな耐震補強があって良いと思いますが、壁を入れるという一番オーソドックスでやりやすい方法の要となるのがアンカーですので。岡田 おっしゃる通りで、壁の多い建物は古くても頑丈ですし、壁を追加して補強するということになればアンカーは不可欠です。 そんな中で、心に留めておくべきことといいますか、少し哲学的な話になるのですが、よく恩師の坪井善勝先生の教えを思い出します。先生はよく「鉄筋コンクリートというのは、コンクリートが鉄筋に助けてもらっているんだぞ」とおっしゃっていました。それをよく考えて設計しろ、と。それを踏まえて私が思うことは、アンカーというのは、先付けにせよ後付けにせよ「鉄筋がコンクリー写真2 安永会長の施工バイブルだった書籍(一部)(左)「あと施工アンカー 設計と施工」、(右)「2001年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針 同解説」7878| 安心・安全を30年~30周年記念誌~| 安心・安全を30年~30周年記念誌~

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